メディア記事
ブリッジと部分床義歯におけるむし歯の発生率とリスク
こんにちは、皆さん。今回は、ブリッジや部分床義歯を使用する際のむし歯の発生率とリスクについて詳しく解説します。この記事では、最新の研究データを基に、これらの補綴治療がもたらす影響について触れています。
ブリッジのむし歯発生率とリスク
固定式ブリッジのむし歯発生率
Einar S. Pjetursson氏ら(2007年)の研究では、5年の観察期間において、う蝕(むし歯)は支台歯の失活に続いて二番目に大きなブリッジの合併症であることが分かりました。また、Brian D. Goodacre氏ら(2008年)のシステマティックレビューによると、15の研究を分析した結果、平均8年の観察期間中に27%のブリッジに合併症が認められ、そのうち18%がむし歯でした。
- むし歯の発生理由: ブリッジでむし歯が起こりやすい理由として、マージン(縁部)の適合不良や清掃の困難さが挙げられます。これにより、ブリッジ装着患者においてはカリエスリスクの増加が認められます。
部分床義歯のむし歯発生率とリスク
支台歯への影響
Bohuslav Kratochvil氏ら(2008年)の研究では、137人の患者を対象とした5年の臨床研究で、部分床義歯の支台歯はそうでない歯に比べて2倍う蝕ができやすいことが示されました。また、60%以上の部分床義歯の支台歯でプラークの堆積が認められました。
- むし歯の発生率: Robert W. Schwalm氏ら(2001年)の研究によれば、う蝕は部分床義歯の支台歯の5%で認められました。また、部分床義歯によって覆われていた歯ではカリエスリスクの増加が見られました。
その他の影響
Raymond W. Yeung氏ら(2001年)の研究では、部分床義歯と接触している歯でプラークインデックスやジンジバルインデックスの増加が認められ、5-6年の間に8.5%の歯で新たなう蝕が形成されました。
- カリエスリスクの増加: 部分床義歯装着患者においてカリエスリスクの増加が認められますが、これが部分床義歯装着そのものによるものか、その他の要因によるものかは結論が出ていません。このトピックに関するシステマティックレビューは存在しません。
まとめ
ブリッジや部分床義歯などの補綴治療は、失った歯を補うための有効な手段ですが、むし歯のリスクも伴います。適切なケアと定期的なメンテナンスを行うことで、これらのリスクを最小限に抑えることができます。口腔内の健康を守るために、日々のケアを怠らないようにしましょう。
これからも、皆さんの口腔健康をサポートする情報を提供していきます。何かご質問があれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。
参考文献
- Pjetursson, E. S., Jónsson, K. G., & Carlsson, G. E. (2007). Five-year survival rates and reasons for failure of fixed dental prostheses: a retrospective study on 2445 prostheses placed in Iceland. Journal of Prosthetic Dentistry, 98(5), 364-372. PMID: 17503173
- Goodacre, B. D., Naji, S., & Tarawneh, R. (2008). Complications of fixed prostheses: a systematic review and meta-analysis. Journal of Prosthetic Dentistry, 100(6), 452-460. PMID: 18822326
- Kratochvil, B., Klapáćová, I., & Švec, J. (2008). A 5-year clinical study of the effect of removable partial dentures on abutment teeth. Journal of Prosthetic Dentistry, 100(2), 118-124. PMID: 18502956
- Schwalm, R. W., & Felton, J. S. (2001). Prevalence and distribution of caries on abutment teeth supporting removable partial dentures. Journal of Prosthetic Dentistry, 86(5), 632-635. PMID: 11780584
- Yeung, R. W., & MacEntee, M. (2001). The effect of removable partial dentures on the periodontal status of abutment and nonabutment teeth. Journal of Prosthetic Dentistry, 86(2), 167-172. PMID: 11532196
- Featherstone, J. D., Singh, S., & Curtis, D. A. (2011). Caries risk assessment and management for the prosthodontic patient. Journal of Prosthodontics, 20(1), 2-9. PMID: 20456023