塩谷歯科医院

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子どもから大人までのむし歯予防

20231月、日本の歯科に関わる4つの学会(日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会)が、フッ化物配合歯磨剤の推奨利用方法を更新しました。この変更が、私たちのむし歯予防にどのような影響を与えるのでしょうか?今回は、子供から大人までのむし歯予防に対する新たなフッ化物配合歯磨剤の使用方法の影響を解説します。

新たなフッ化物配合歯磨剤の推奨利用方法

新たなフッ化物配合歯磨剤の使い方には3つの大きな変更点があります

  • 2歳までの子供に対して、500ppmから1000ppmへと推奨濃度が変更されました。
  • 35歳の子供に対して、500ppmから1000ppmへと推奨濃度が変更されました。
  • 614歳の区分が削除され、6歳以上は成人・高齢者と同様に1500ppmが推奨され、歯ブラシ全体(1.52cm程度)が使用量とされました。

世界歯科医師連盟やWHOでは、年齢に関わらず1000ppm以上のフッ化物配合歯磨剤の使用が推奨されています。しかし、過剰なフッ化物摂取が歯のフッ素症を引き起こすリスクがあるため、日本ではこれまで15歳から1500ppmが推奨されていました。今回の変更で、子供の時期から1500ppmのフッ化物配合歯磨剤の恩恵を受けることが可能になりました。

WHOの報告によれば、フッ化物配合歯磨剤の濃度が500ppm上がると、むし歯予防効果が6%向上します。また、コクランライブラリーのデータでは、1000ppmの場合のむし歯予防効果が23.0%で、1500ppmでは29.6%となっています。特に、6歳前後の第一大臼歯が生える時期には、1500ppmのフッ化物配合歯磨剤が大きなメリットをもたらします。

子供の時期には、歯のフッ素症に注意が必要です。推奨されている使用量を守ることで、このリスクを最小限に抑えることができます。また、むし歯の予防には、砂糖の摂取や食生活など、さまざまな要因が関係しています。フッ化物配合歯磨剤を正しく使うことは、むし歯リスクを下げる上で非常に重要です。

また、以下の点も記載されていました。

  • フッ化物濃度の表記されたフッ化物配合歯磨剤の使用が望ましい。
  • 日本では、味などの点で1450ppmのフッ化物配合歯磨剤が少ない。
  • 高齢者の根面むし歯対策として、5000ppmのフッ化物配合歯磨剤が有効とされているが、日本では販売されていません。
  • チタンインプラントには、フッ化物配合歯磨剤が推奨されており、インプラント用ジェルのような代わりにクロルヘキシジンが含まれている製品はむし歯予防効果がありません。

今回のフッ化物配合歯磨剤の推奨利用方法の更新により、子供から大人までのむし歯予防において、効果的な手段が推奨されるようになりました。しかし、歯のフッ素症へのリスクを最小限に抑えるためにも、推奨される使用量を守ることが大切です。

さらに、むし歯予防には砂糖の摂取や食生活など、様々な要因が関係しているため、フッ化物配合歯磨剤だけでなく、総合的なむし歯予防対策が求められます。これらの対策を踏まえた上で、フッ化物配合歯磨剤を正しく使用することが、むし歯リスクを下げる上で大変重要です。今後の歯磨剤の製品や使用方法の変化によって、1人でも多くの人がむし歯で困らない生活が送れることが期待されます。 

まとめ

歯科医院では、患者さん一人ひとりの状況に合わせたむし歯予防のサポートを行っています。歯科医師や歯科衛生士と相談して、適切なフッ化物配合歯磨剤や歯ブラシの選び方、正しい歯磨き方法を学ぶことができます。定期的な歯科検診も大切です。歯科医師による早期発見・早期治療により、むし歯の進行を抑えることができます。

今回のフッ化物配合歯磨剤の使用方法の更新により、日本のむし歯予防がさらに進化しました。しかし、むし歯予防はフッ化物配合歯磨剤だけではなく、総合的な対策が必要です。歯科医院でのサポートやフッ化物以外のむし歯予防方法を取り入れることで、健康な歯を維持することができます。

最後に、日々の歯磨きと定期的な歯科検診を習慣化することが、むし歯予防にとって何より大切です。

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加西市 歯医者 塩谷歯科医院  電話番号 0790-48-3690

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